963ウイスキーのブレンダーである會田さん(福島県南酒販株式会社)に、963ウイスキーに関するこだわりインタビューしました。
A.963ウイスキーのブレンダーをしております。ブレンダーというのはウイスキーの原酒の管理する仕事で、ウイスキーの原種をどう育てるかの見極めと製品のレシピを作るということが主な業務になってます。
弊社の963ウイスキーで言うと、ウイスキーを蒸留するという工程がないので。原酒を買付してそれを管理して生産化するというのが963ウイスキーの工程の全てです。それを担っているのがブレンダーという業務ですね。
A.ブレンダー業務をしながら営業活動もやっているので。原酒をチェックしてレシピを開発する日、あと営業活動として全国に行く日など様々ですね。毎日の動きが決まっている訳ではないですね。
A.やっぱりウイスキーを作ってる時が1番楽しいですね。ただ、自分で作ったウイスキーを全国に持っていってその感想をダイレクトに聞けることも楽しいことの一つですし、そこで持ち帰ってきたことを開発につなげられるので。
A.やはりバーに行かれてる方に飲んでいただきたいということが1番強いです。もちろん963のコンセプトとしても、福島県郡山市の郵便番号963を商品名にしてるので、郡山市の方々に飲んでいただきたいです。そこから発信して全国に対してその963、郡山をアピールできたらいいなと思ってます。
もちろんご自宅でも飲んでいただけるようにとは思っているのですが、やはりウイスキーを一番美味しく味わえる場所はバーだという風に思ってるので。バーテンダーの方から進めていただけるようなそんなウイスキーになればいいな、というところが1番の思いですね。
A.ウイスキーをいつも飲んでいる方で、新しく何か探している方に。ウイスキー初心者の方にももちろんオススメできます。
A.そうですね、入った後にここまでこだわって作ってるんだって思いました。原酒を買い付けして、ただボトリングしてるわけではないですし、熟成にこだわって様々な種類の樽を使って細かくブレンドしていることが分かったので。やっぱり飲んだ時だけの味わいよりも、その話を聞いた時にもっと味わいがすごく深いことに気づけるウイスキーかなと思います。
A.ボトリングする時に1,000L・2,000Lというサイズで作ってくので、200Lの樽のサイズで弊社は全部保有していて、そのサイズの樽をいろんな種類、例えばバーボンウイスキーが入っていたバーボンバレルだったり入れた樽のものをちょっとずつブレンドしていく。10%、5%という風に。それが味わいの深さを作っています。
A.963ウイスキーは笹の川酒造様が製造元ですが、全ての管理は福島県南酒販株式会社が行っている商品です。
A.ボトリングした場所が製造元に入ってきます。実際にこの商品ができるまでにその原酒の買い付けや原酒のレシピ、中身に入ってるブレンドされたレシピを管理してるのは私たちの福島県南酒販で、ボトリングを笹の川さんにお願いしています。
A.4年になります。
A.元々バーテンダーをやっていまして。その時からウイスキーが好きで、963ウイスキーの存在を知った時に元のブレンダーの方にブレンダーになりたいですと声がけして、今はブレンダー業務やらせていただいています。
A.会津若松市のダイニングバーにいました。そこでバーテンダー協会にも属させてもらって、大会にも出てました。
A.製品として実際に全国や世界へ届けるボトルを商品として開発するということが大きな違いかなと思います。バーテンダーの時は目の前にいるお客様に対して提供することでしたが、それが今は全国や世界へと届けるウイスキーを作るということが大きな違いかなと思います。
A.そうですね。想像の世界のブレンダーとかウイスキーをこう作る世界っていうのとはやはり違って。地道な作業だったりそういったウイスキーを管理するという大変さを入ってみてすごく感じました。
A.ウイスキーを実際に商品化するまでのレシピを完成させるまでというところが、1番楽しいところでもあるんですけど、苦労するところかなと思います。
A.まずは963ウイスキーとして弊社の熟成庫で管理している樽を一通り全てサンプルを取って、自分の鼻と舌でチェックをして。その上でどの原酒を使うかどの樽を使うかということをメモを取ってその中から選定していくという作業ですね。
A.違いを見極めて、それを継続させていくためにどうしたらいいか。将来の1年後、2年後、3年後となった時にその原酒を使って同じ味わいを再現できるかというと、奥行きまで考えてブレンドするということがやはり大変かなと思いますね。
A.自分が作ったウイスキーを飲んだお客様に喜んでいただいた時がやはりすごく嬉しい瞬間ですね。美味しいと言っていただいた瞬間が本当にやっていてよかったなという風に思います。
A.やはり元963ウイスキーブレンダーの田浦大輔さんを尊敬してます。その方にウイスキーの作り方やウイスキーとはというところを全て教わったので。尊敬して背中を追いかけて頑張っているところです。
A.ウイスキーはセンスだということはよく言われてました。自分はまだ難しいですね、そのセンスだというところにすごくもがいています。
A.周りの人からよく聞く意見ですと、田浦さんの時にははっきりとした個性があったことに対して、私が作るレシピに関しては結構まろやかだったり口当たりが柔らかいというような意見がありますね。あとは原酒が育ってきたというのはありますね。
A.樽にウイスキーが入っていると、樽が呼吸をして熟成するということです。日数が経てば経つ程その分樽が呼吸をしてウイスキーが熟成されていく。熟成されてくことで変わることは、味わいがまろやかになったりとか、甘みが増したりとか、アルコール感が感じにくくなったりします。
A.定期的に原酒チェックしていく中で、ウイスキーの香りが草っぽい香りだったりとか、最初の蒸留液に感じる鉄っぽい香りだったり草っぽいような若い青い香りですかね、そういう香りが取れてきた瞬間には熟成が進んだかなと思います。
その先はフルーツの熟したような香りになったらもっと熟成が進んだなと思います。それぞれの原酒によって香りの変化で熟成したなという風に感じますね。
A.今現在だと4人事業部のスタッフがおります。
A.立ち位置という風には決められないんですけど、ウイスキーの製品化に至るまでの管理者として私が責任者という形でやらせていただいてます。
A.ウイスキーの販売に関する販路の管理だったり、実際商品化した後の商品の管理だったり。事務的な部分の補佐や私のブレンダー業務の補佐をやっていただいています。
A.そうですね。私がブレンダーで責任者にはなりますが、独りよがりにならないように、チームの意見を聞いてチームの意見を反映させて商品化と販売につなげていきたいという風に思っています。
A.気持ちが熱くなってぶつかったりする時もあります。商品化する上でラベルやパッケージは商品の顔になりますし、それが味わいを感じさせる要因にもなるので、そういった細かい部分のところを任せてる最中に気持ちのずれとかを感じた時ですかね。
A.かなり盛り上がってきていて、まだウイスキー業界はすごく伸びているところかなという風に思います。
A.4年前もすでに盛り上がってる状況ではありましたけど、実際に日本にウイスキーを作り始める蒸留所自体がこの4年間で増えたかなという印象があります。今だと100を越える蒸留所が建設されています。その部分でも日本全国が盛り上がってきたんだなというイメージがありますね。
A.現在日本全国で蒸留所が建設されて、自分の土地で原料から蒸留をしてウイスキーを作ってます。弊社はウイスキーを蒸留する行為をやらないと決めて始まったのが963ウイスキーというブランドになります。
他社さんの蒸留所のウイスキーの良さをちゃんと見極めて、それよりいい製品として出すのが、シングルモルトを出す蒸留所さんとの違いかなと思います。
A.蒸留所を建設するということに関して、かなりハードルが高かったというところが1番ではあるんですけど。蒸留所が増えてる中でブレンデッドウイスキーというブランド、ジャンルが日本全国でもかなり少ない。スコットランドとか世界全体を見ればブレンデッドウイスキーがウイスキーのほとんどのシェアを占めているんですけど、日本自体はシングルモルトがやはり強いので。そこで私たちはブレンデッドウイスキーというジャンルにフォーカスしてしっかりとやっていこうというのがコンセプトとしてあります。
A.バーテンダーとして取り扱っている時はやんわりとしか分かってなかったものが、実際に関わることで、それぞれのウイスキーの個性を大事にしながらブレンドして最終的にその味わいを作っている。個性がしっかりと見えなくても奥ゆかしく混ざり合ってるんだなということが今自分でやってて思いますし、他社さんのブレンデッドウイスキーを飲んでも感じるようになりました。
A.そうですね、完全にシングルモルトが増えてきています。蒸留所がいい意味で増えてるのかなと思います。
A.もともと原酒を買い付けしてリリースすること自体が悪く見られがちでした。自分たちで蒸留できないからただ買付けしてウイスキーにしてるんでしょう、という声もやっぱりあったんです。
けれどそうではなくて、原酒を買い付けして樽にフォーカスを置いてちゃんと熟成を極めていくためには、蒸留という行為をしないで買い付けをして熟成、ブレンデッドウイスキーというジャンルだけをやっていた方がよりそこにフォーカスできるんで。そこを極めていくことが今のウイスキー業界の中で生き残る条件になるのかなと思ってます。
A.今は様々な種類を知るっていうことがまずは1つで。 世界のいろんなところにワインとか日本製の樹種の木だったりヨーロッパ製の樹種の木だったりいろんな樽がかなりあるので。そういった樽の種類を多く使うことで消費者の方にも樽の面白さを伝えられたらと思っています。
A.木の材質から来る味わいの変化もありますし、ワインだったりバーボンウイスキーだったり樽に入れた液体の差でも味は変わりますし。ウイスキーならではの繊細な味わいの変化っていうのが、実際樽から味わいが8割決まると言われていますので。そこが面白い部分かなと思います。
A.今は全て買付けという形になっています。フランスやアメリカなど世界の色んなところだったり、 日本のメーカーからも仕入れています。うちで考えている樽の種類は今20種類以上はあるんですけど、まだまだ使えてない樽があるので、もっと仕入れていきたいなと思ってます。
A.今は300樽というかなり小規模な量なので、まだまだこれを増やしていこうとしているところです。
A.ウイスキーを飲む場はバーが多いと思いますが、バーテンダーの方から最初は甘いウイスキーとスモーキーなウイスキーで、その2種類の注文が多いという話を聞いていたので。そこから生まれたのがこの2種類のウイスキーです。甘い時はこっち、スモーキーといわれたらこっちと選びやすい商品を作ろうということで生まれた商品でもあります。
A.最初のこのスタートがこういった赤・黒という甘い・スモーキーの個性で分けたような味わいを作りましたけど。さらにブレンデッドウイスキーの奥ゆかしさというところをより追求しようというところで、何回も飲んだ時にちょっと気づけるようなそんなブレンドの楽しみを追求したウイスキーを最近はリリースしてます。
例えばアクシスという5,000円で販売する商品を作ったんですけど。日本で作られたモルトウイスキーだったり、スコットランドや各地区で有名どころなスペイサイドだったり、ハイランドとかアイラモルトという色々な地区のウイスキーをブレンドしてるので、やはりそれぞれの個性が全く違う。ですが最終的に1本の味わいにまとまってるので、それが少しずつ飲みながら気づく。一口ごとに日本のウイスキーの良さだったり、スコットランドのアイラの良さだったりを感じられるようなウイスキーに仕上がったと思います。
A.今は熟成庫がここに1つしかないので。樽の熟成の概念を考えた時に、熟成場所・熟成環境を様々な場所でやってみたいなというところがあります。今、準備も少し進めてるところですね。
A.一番言われるのは、シングルモルトじゃないから飲まない。ブレンデッドでしょっていう。その飲まないハードルもあります。ブレンドの部分ではそんなに厳しい意見はないです。
A.ブレンデッドウイスキーのそもそもの良さを伝えて、その上でウイスキーはモルトだけじゃないということをお伝えします。分かっていただいた方には気に入っていただいたりすることもあります。
A.複数の蒸留所が作ったウイスキーがこう入っている。シングルモルトウイキーはソロアーティストみたいなイメージですけど、ソロのいろんな人たちを集めてブレンドして最終的に1つの音にしてるんで、オーケストラみたいなイメージというのが分かりやすいかなと思います。いろんな個性が混ざり合って1つの味になってるところがブレンデッドウィスキーの良さかなという風に思いますね。
A.シングルモルトだとやはり個性という部分で1本軸が通るんですけど、ブレンデッドウィスキーは味わいに寄せてブレンドすることができるので、お客様のどういう味が好きということに関して叶えやすいのはブレンデッドウィスキーがオススメできるところです。
A.良くブレンドされているねって。頻繁にブレンデッドウイスキーを飲まれてる方で、味わいの香りから最後の香りなど味わい要因までにつながるその要素とかの部分について良くブレンドされていると言われます。
A.そうですね。そう思われてる方は多いかなという印象はありますね。全国のウイスキーイベントの際もそういった意見が多いので。しっかりと商品と向き合ってもらえるように、そういった活動も増やしていかなきゃいけないなと思います。
A.混ぜ合わせたという部分が悪いものも色々混ぜてんだろう、とかそういう風なイメージがあるのかなという風に思いますね。シングルモルトはその土地でその人たちだけが作ってるウイスキーなので、やはり良く感じますし。それはもちろんいいことだと私も思うんですけど。それを混ぜてるのが印象的に良くないと思われる方が多いみたいですね。
A.そうですね、それも1つの要因かなと思います。 実際スコットランドとか日本で安く販売されてるのはブレンデッドウィスキーなので。それがそういうイメージがついているのもあるのかもしれないですね。
A.実際ウイスキー文化を押し上げてきたのはブレンデッドウイスキーだと思いますし、有名なところでジョニーウォーカーだったりバランタインとか銘柄がありますけど。そういったところで作られてるブレンデッドウイスキーは本当にクオリティが高いものだと思います。これがウイスキーの評価、ウイスキーって美味しいものにしてきたのだと思ってますね。
A.そうですね、まだまだ足元には及びませんが、日本の中でそういった存在になれたらいいなと思います。会社としても最近そのコンセプトをしっかり話し合って、ブレンデッドウィスキーとして日本にジャンルを確立させましょうということを再確認して出発してますので。それが今回のリニューアルの大きなテーマの1つです。
A.私も田浦さんが作る963ウイスキーをすごく美味しいと思って入りましたし、味わいがすごく美味しいですけれども。入ってみて営業活動していく中で広がりが薄いなと思う事があって。理由をか突き詰めると、ラベルだったり発信力だったり、情報が少ないからブレンデッドウイスキーという括りでしか見られない。そのブレンデッドウイスキーの良さを伝えられてないかなという風に思っていまして。その良さを伝えるために、パッケージだったり商品の発信の部分にちゃんと重きをおいてやっていこうというところです。
A.今まではシンプルで963ブランドが伝わりやすくなっていたんですけれども、リニューアルで963のこだわりである樽熟成にフォーカスを置いて樽のデザインをクロスさせた。樽をクロスさせてるのはブレンドの意味、樽の原酒とブレンドしてるという意味だったり、アイコンは熟成を思わせるアイコンなんですけど。
文字としても地元の郡山からあの熟成をさせてウイスキーを発信しますというようなことだったり。ウイスキーをブレンドでより面白く提供しますという意味合いのアイコンを作って、ラベルをリニューアルしました。一目で簡単には意思は伝わらないとは思いますけど、しっかりとメッセージ性をもったラベルを作って、そういったことを全国を歩きながら郡山を発信をしていきたいなと思ってます。
A.やはりブレンデッドウィスキーのジャンルとしてやっていきたいのが1番ではあるんですけど。そのパーツとして自分たちでシングルモルトを作れれば最高だないう風に思いますね。より自分たちのブレンデッドウイスキーに奥行きを持たせることができるかなと思うので、そういう意味ではモルトの蒸留所は持ちたいと思います。
A.はい、そうですね。他社さんからも買わせていただいて、963は絶対にやりたいと思ってるので。そこに対して自社で蒸溜したウイスキーもブレンドしていく。それで要素が繋がるとよりこう目指してる味わいが作れるのかなと思っています。
A.一言では表せないんですけど、歴史ある今までスコットランドで作られてきた偉大なブレンデッドウイスキーのあのボトルがあるので。そういったウイスキーの味わいのようなものを出したいなという風に思いますね。
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2024.09.08[sun] 11:00~17:00
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