A.64歳です。ご縁があって福島県南酒販さんに入って、963ウイスキーに携わらせてもらって、伝道師の役割が担えました。ヌーベルセレクションにはいきましたけれども、まさかこのワイナリーに自分が務めるというのは1%も思っていませんでした。ヌーベルセレクションで65歳まで働くつもりだったんですけれども、3年前に三菱商事のある人から、営業や醸造も含めて正直困っていると聞きまして。
地元でお酒に詳しい人を探していたみたいです。最終的には地元のためじゃないですけれども、郡山のために頑張れればと思いました。40年酒業界にいましたから、それなりの人脈と知識はありますので。ここが立ち上がった時は何もできなかったので、今からでも遅くないなって。
ももスパークリングや北会津スパークなどはお客さんから美味しくなったねってここ1年で言われるようになりました。2、3千円払ってお客さんに買ってもらうので、美味しくないとダメじゃないですか。自分が美味しいと思えないと勧められないのと一緒です。少しずつそのレベルになってきました。あとは酒販店の店主が自信をもって勧めていただくためにはまだまだ、レベルをもっと上げないとダメだと思います。そのお店の信用にも関わりますからね。そこは数年かけても頑張りたいです。
A.いろいろやっています。今回メルシャンの元工場長の方を採用しました。すばらしい知見をもっていらっしゃいますし、ベテランなので。あとは郡山市果樹研究会の農家さんと我々と行政で勉強会も行っています。あとは土壌調査をしたり。去年はかみのやまや甲府に行きました。あとは福島県の中にワイナリーが十数社あるので、福島の他のワイナリーさんに行って土壌の問題とかつくりとか。
同じ福島県のなかでもっと勉強することを今年は考えています。外にいっても、福島ってワインなの?って聞かれます。福島にはワインのイメージがないんです。だから1社だけ美味しいワインをつくっても全然広がらない。横の広域連携をとって、山形岩手だけじゃなく福島も美味しいワインがあるんだなって思ってもらえることが目指すところです。
A.サクラアワードの2年連続ゴールドは福島県ではうちだけなんですよ。そういった日本ワインコンクールで3年後くらいをめどに金賞を取りたいというモチベーションでみんなやっています。
A.そうですね、それなりに業界の人間は知っていますけれども。一般の認知力についてはまだまだですよね。ここの施設を使って逢瀬祭とかいろんなイベントでワイナリーを知ってもらう努力はここ2年くらいしているので、以前よりは認知度も上がってきていると思います。あとは酒販店さんが置いていただける間口が広がっているので。あとは直近ですと市政100周年記念ラベルの発売を新聞に掲載させてもらったりして、ワイナリーの商品を少しでも皆さんに知っていただく活動を一生懸命行っております。
A.いや、そこまで予算がないので。向こうからの取材になります。あとは旅行会社の見学ツアーなどが増えてきたので、旅行会社へのPRをどう発信するかが課題です。うちのワイナリーの設備を見ることによって、設備が素晴らしい、品質管理も清潔感があるというのを見ていただくと我々の福島のワインの想いが伝わるのではないのかと思います。資料をつくったりはしますけれども、実際に見たり聞いたりすると買ってみたいなとなるので、そういう活動はしていきたいと思っています。
A.そうですね、ただ6万本くらい瓶詰めとなると、社員8人しかいないのに出来ないんですよ。経理や営業などのバックオフィスが3名ほどいますけれども、伝票作成とか今日も出荷で60ケース用意するので。醸造のスタッフが今5人いますけれども、それでも繁忙期になると結構大変です。ただ、落ち着いている時期もあるので、研修する時間をとったり、その時に上手く蒸留機を使ったり新たな商品開発をしたりすることが今後の課題です。
今年は郡山で40トンのぶどうが取れたんですよ。昨年は19.5トンで、雨が少なかったんですよね。次も40トンとれてしまうと置くところがなくてパンクしてしまう状況ですね。どんどん商品化できて、コンスタントに年に5万本くらい売れるようになると在庫もまわるし、2年くらい後に出せるような、品質の良い1年以上熟成させたワインが1,2割ウエイトをしめてくれれば単価もあがるので。そういうサイクルに3、4年かかるかもしれませんね。赤ワインがまだまだそだっていませんし。
A.新たな6次産業を立ち上げているので、我々だけでもダメで、農家さんだけでもダメで。郡山市と行政と一緒になって新たな取り組みをしていかないと。これから農業をやったり、お酒造りやワイン造りをしたいという方達に魅力が発信できない。
特に郡山はワインが難しいよねって。「郡山ってワイン用のブドウがとれるの?最適地なの?」という質問が多い中で、100%最適地ではないかもしれないですけれども、やっぱり郡山の土地にあったワインってあるよねということで、試行錯誤している状況です。土壌調査すれば、何が多い・少ないというのは分かりますし。このブドウの苗木でいいのか、悪いのかというのは今後に向けて行わないと農家さんの費用になってしまうので。ここは実験の畑で、どういう作業でどういう農薬をつかうのかなど農家さんと協力してやっています。
うちは契約農家からブドウを買うしかないんで。自社畑があればもっと数量のイメージが湧くのですけれども、人件費とかコスト面で難しい。収穫時期のボランティアってなかなかいないんですよ。我々は三菱商事などに収穫の応援にきてもらっていますけれども、農家さんにやってもらうというと、農家さんはあまり利益がでていないので。市民や県外の方も含めて一緒になって取り組む。興味をもってくれる方に実労働していただいて、ワインの大変さ、面白さを知ってもらって一緒に商品づくりをする。そういうのを広げていかないと、我々だけでは40トンの収穫は厳しいです。
特に我々は農家さんからブドウを買ってるので、少しでもキロ単価を上げてあげれば農家さんだってやりがいがでるし。うちのワインが金賞を取ったってなれば農家さんだって自慢になるし。やっぱりこう、我々だけじゃないという思いは農家さんや皆さんに伝わればいいなと思います。
A.実際には行政も絡めていろんな勉強会とかお手伝いなどありますけども。やっぱり農家さんも自分が作ったブドウをこういうワインにしてもらいたいとかがあるじゃないですか。ワインに自分のブドウが使用されていて、後ろに自分の名前が書いてあるけれど、現状では自慢できない農家さんもいるかもしれないじゃないですか。この評価の小ささだとね。そういう風にならないように、我々は大事に選果をして搾って美味しいワインを作る。それが農家さんに還元できることだと思います。
A.携わりたいという農家さんはいます。うちは一農家さんだけでなくて、皆さんに選果をしてもらって醸造や発酵管理なども見てもらってもいいですよという風にしています。実際に濾過する前のワインで新酒発表会みたいなことを農家さんにするんです。御社のブドウからこういうワインになって、こういう商品にしますというのを毎年一回やっています。うちのブドウはロゼになるんだなとか、そうやって農家さんのモチベーションを上げていかないと。
いくらキロ数百円で買っても、一年間を通すと赤字だっていう農家さんも多いんです。事業としたらやってもやっても収益にならないじゃないですか。そこを少しでも赤字から黒字に転換する。黒字にならなくてもペイできるくらいみんなで頑張っていかないと。売れれば単価が上げられるし、単価が上がれば商品の売価を上げなければいけないので。いい価格で、ねんごろ感ってあるじゃないですか。例えば3千円でもこのワインなら買ってくれるってなれるように。そうすればキロ単価を10円でも20円でも上げられるので、そういう努力はしていきたいですね。
A.先日行われた、ふくしま酒祭りに初めてワインメーカーが7社出店しました。たまたま郡山でやったからうちのワインのブースが1番忙しかったんですけども。結構皆さんうちを知らない方が多いし、そういえばこの辺にあるんだよねって1回も来たことない市民がいっぱいいます。ワイナリーのワインを飲んだことない方がいっぱいいます。そういった意味では、今日は人が集まるから逢瀬ワイナリー飲もうとか、東京に行くんだったらお土産でうちのワインを持っていってもらえるような、そういった活動はしていきたいですね。特に今回のももスパークリングは母心の関さんから3年連続でイラスト書いてもらったので。商品は作品なので、そういったいろんな活動をしていきたいです。
やっぱり郡山といったら日本酒とかウイスキーじゃないですか。でもワインも郡山の文化になる。手土産の需要的にも気楽に持っていけるし、オシャレだし。郡山の人が考えて、郡山の農家さんに頑張っていただいて、我々が郡山でワイン作りをする。ワイン作りだけじゃなくてリキュールとかブランデーとか新たなスピリッツの可能性。やっぱり福島や郡山の果物をもっと発信したいです。
ふくしま逢瀬ワイナリーの存在が地域貢献であり、福島県にとってはなくてはならないワイナリーだと思っています。
福島県郡山市逢瀬町多田野字郷士郷士2番地
ショップ営業時間:土日祝10時-16時 火曜~金曜11時-16時
ショップ定休日:月曜(祝日除く)
事業所営業日:月曜―金曜
フリーダイヤル:0120-320307(10時~17時)
https://ousewinery.jp/
2024.09.08[sun] 11:00~17:00
会場安積国造神社(表参道)/郡山ビューホテルアネックス
入場料前売4,000円/当日5,000円